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注意!住み慣れた自宅での転倒について

2022年03月15日 訪問看護ステーション
2月も終わり、少しずつ過ごしやすい日が多くなっている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

コロナ禍でもあり、1年の中で最も寒い時期でもあるこの季節は自宅で過ごす時間が多くなることと思われます。住み慣れた我が家で過ごす時間は至福の時間だという方もいるのではないでしょうか。

若い時は気にもならないことでしょうが、高齢者と呼ばれる世代になってくると自宅での転倒が増えてくることをご存知でしょうか?

(まだまだ自分には関係のないことだ。)

(勝手知ったる自分の家で転けるなんてないない。)

こう思われる方も当然おられるとは思いますが、それは楽観的と言わざるを得ません。

今回は私の経験も踏まえて自宅での転倒リスク、その対策について簡単にお話しできたらと思います。

まず想像してみて欲しいのですが、高齢者が1番転倒している場所はどこだと思いますか?

話の流れで予想がついているでしょうが、正解は自宅です。

消費者庁の「10月10日は「転倒予防の日」、高齢者の転倒事故に注意しましょう!-転倒事故の約半数が住み慣れた自宅で発生しています-」から65 歳以上の高齢者が自宅で転倒したという事故情報が、平成27年4月から令和2年3月末までに275件寄せられています。

これは高齢者の転倒事故を発生場所別に見たとき最も多く、48%を占めています。

さらに自宅内で転倒が発生した場所を見てみると1番多かったのが、「浴室・脱衣所」で2番目に「庭・駐車場」が多いという報告内容でした。

次いでほぼ同数の件数で「ベッド・布団」、「玄関・勝手口」、「階段」での転倒が多いということでした。

さらに消費者庁の同報告書では、自宅内での転倒事故の状況が分かっている件を分類すると、「滑る」、「つまずく」が多く、次いで「ぐらつく」が多いという結果でした。

簡易的にまとめた下のスライドを見てください。



ではこれらの情報から何がいえるか?、どういう対策が必要かを考えていきましょう。

まず転倒場所と転倒状況から考えていきましょう。

①「浴室・脱衣所」、「玄関・勝手口」、「階段」といった場所では足が「滑る」ことが起こりやすいということがいわれていますし、想像できると思います。

次に②「庭・駐車場」、「ベッド・布団」といった場所ではコンクリートやちょっとした石段、布団に「つまずく」可能性があることが分かると思います。

そして③「浴室・脱衣所」では衣服、特にズボンの着脱時や浴槽をまたぐ際に不安定な体勢になるため「ぐらつく」ことが想像できます。

あくまで私の意見ではありますが、上記のように転倒場所と転倒状況を①~③に関連付けてみました。

ではそれぞれの転倒リスクに対してどのような対策が出来るでしょうか?

①に関して、「浴室・脱衣所」、「玄関・勝手口」、「階段」に共通していえることは床、接地面がフローリングやタイルといった滑りやすい材質であること、周囲に手すり等の支持できる物がないことが考えられます。

なので特に滑りやすそうなポイントに滑り止めマットを設置する、階段にも滑り止めを付けることが効果的です。さらに衣服や靴の着脱時には不安定な体勢になるため手すりを設置する、もしくは小さい椅子を置いておくことも検討してもいいと思われます。

ただし、その対象の高齢者の歩き方によっては滑り止めを設置している方が逆に転倒リスクになる場合があるので、不安な場合は1度、私達のようなリハビリ職やケアマネジャーに聞いてみてください。

次に②ですが、「つまずく」という現象からは、歩き方がすり足である、足場が悪い、小さな段差が多いということが想像できます。

足場や小さな段差に関しては迂回する、杖等の補助具を検討するといった対策が考えられます。

すり足に関しては、屋内でスリッパを履くことを推奨しません。スリッパを履くとさらにすり足様で歩くことに繋がるからです。

次にカーペットを撤去することを考えてください。人によっては小さな段差になるためです。実際にカーペットに引っかかって骨折した方が利用者におられました。

過去に運動不足や腰や膝の関節痛、筋力低下等に思い当たることはありませんか?

その場合は根本的な原因の解決を図るためにデイサービスや訪問リハビリを検討してみてもいいかもしれません。

最後に③に関しては、①と同様に不安定な体勢をとっている際に転倒リスクがあるので、手すりや椅子の設置、もしくは動作指導やバランス能力の向上目的にデイサービスやリハビリ等で運動する機会を考えてみましょう。

ここまで読んで頂いた方はなんとなくわかってきたと思うのですが、転倒リスクの対策は、環境の見直しと対象者の身体能力、動作の向上の2側面に分かれます。

あなたが自宅で転倒しそうになった場面を思い出してみてください。床が滑りやすかったですか?最近つまずくことが増えていませんか?

これからも長く住んでいくご自宅でのことを1度考える機会にして頂いたら幸いです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。

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理学療法士 岡村大